エミリーside
「エミリー、うまくレインを誘導できたよ。ありがとう。」
撫でられる手からは温かさも、何も感じない。
「…いえ。」
ただこの人の言いなりに身体が動いて、毎日が過ぎていた。
それを不審に思う弟も友人もいたけれど、私は私で何ら変わらない。
「エミリー!!」
…誰だろうか、とても懐かしく感じる声。
きっと私はこの声の主を知っている。
でも…思い出そうとすれば頭が痛くなる。
「エミリー…すぐに解きます。」
何を解くのか、なんてわからなかった。でも、この人の事は思い出したいと思った。
「っ!」
人差し指の中指を私の額にあて、なにか文字をなぞるように指を動かす。
それをされることによって頭痛がしたけど、なにかを思い出しそうになった。
「…解けた…」
やっと、あの地獄のような日々から…
“レインを誘導してきてくれるかい?”
「レイン…っ!」


