傷口がひらくなんて言ってられない。
“…クロス、という名前に聞き覚えはないか?”
エミリーは、既に…
「…っくそ…」
あの頃からマインドコントロールの中。
元幹部と聞いてから、やっとその答えに至った。
クロスを知っているのに俺に聞く…それは、俺を誘導させる為あの男がエミリーを使っただけのこと。
「エミリー!」
いつもいる場所にもいない…一体どこへ…
「…レイン?」
「エシリア!エミリーを知りませんか?!」
「ううん…最近、エミリーさんケーキを食べに来てくれなくって。それよりレイン、その傷…」
やっぱり…
「すみません、後から全部説明します!」
今はエミリーのマインドコントロールを解かなきゃ…次にアイツがどんな風にエミリーを使うかがわからない。
「あれは…」
あいた窓から吹き込む風に揺れる金色の髪…
「エミリー!!」
名前を呼ぶと、虚ろな目のエミリーは振り向いた。


