「…戻ります。」


そう言って踵を返すと、さっきまで遠くにいたはずなのに肩を掴まれた。


「レイン、あれから母さんが動かなくなってなぁ…」


…そんなの俺には関係ない。


そう思い肩の手を退けて部屋を出た。



「なんなんだ…」


ただそんなことを言う為だけに呼んだのか…?




「っすみません、」


回らない頭で考えていると、誰かにぶつかった。


「お、レイン。どうした?顔色悪いぞ?」


ぶつかった相手はレオンで、レオンは俺の顔を覗き込む。



「いえ…なんでもな「いわけないよなぁ。レインの事だしまーたなんか1人で考え込んでんだろ!」


言葉を遮られ、少し大きな声でレオンが言った。

…珍しい。




「…ジルさんに何か言われたのか?」


そりゃあ、あの部屋から飛び出て来たんだからそう思うのは自然だ。