「…それはレイン、お前の“母さん”だぞ?」
気配も全く感じさせず、後ろから俺の肩に手を置く男。
…あの頃と確実に違う“何か”は。
「ジルさん、どうしてここに?」
嫌味ったらしく言うと男は口角を上げて笑う。
「演じてほしいかい?レインくん。」
声色を戻した男に、影刀を突きつける。
それでも顔色一つ変えない。
「ふざけるな…」
その顔を、やめろ…。
「消えろ…消えろ…みんなの前から、いなくなれ…!!」
みんなの“ジルさん”を演じていた…
「クロス…!」
俺が憎くて憎くてたまらない…
「父さんを呼び捨てか?レイン。」
あの頃で止まっている、父親だ。


