…今日、彼氏に振られた。
彼が選んだのは、あたしと仲の良かった友達だった。
『良かった』と過去形にしたのは、明日からも仲良しだなんて言えないから。
どんな顔して、二人に会えばいいの。
もしかしたら、恋人も友達も無くしたのかもしれない。
そう思うと、胸の奥がぎゅっと痛くて、堪えられなくてまた涙を流す。
まだ秋の入り口なのに、どうしてこんなに背中が寒いの。
「…何してんの」
冷たい背中にかけられた声。
振り向くと、防波堤の側にあいつが立っていた。
学校帰りの鞄。
履き古したスニーカーが、アスファルトを鳴らす。
「…別に」
泣いているのを見られた気恥ずかしさで、あたしはすぐに海に視線を戻した。
制服のスカートの裾から伸びる足を、防波堤の前でぶらぶらさせて誤魔化す。



