陽も落ちかけ、電飾で彩られ始めた街を静かに走り抜けていく車。
 交差点の赤信号で停まった時、津田さんが話しかけてきた。

「メシでも食ってくか。・・・別に用は無いんだろ?」

「あ・・・はい。大丈夫です」

 ナオはデートでいないだろうから。お父さんにラインで、ご飯は食べて帰るとだけ送っておいた。

「何がいい」

 横目の視線がこっちに向く。少し考えて。

「ラーメンとお寿司以外ならなんでもいいです」  

「・・・じゃあお好み焼きな」
 
 あっさり言うところを見ると、決まってたんじゃないかって気が。
 
 前は、津田さんて掴みどころのない人だなぁって。最近なんとなく雰囲気で分かったりして、苦手でもないし居心地も悪くはない人。・・・と思う。少なくても初野さんが言う『ターミネーター』とは違う。かな?