大晦日の夕方には、寮で一人暮らしをしている看護士のユカも揃って。みんなで年越しをした。

・・・・・・あっという間の一年だった気もするし、すごく長い一年だった気もする。新しい年の始まりに辛いことだけ全部リセットされて、時間が巻き戻ればいいのに。
明神様から鳴り響いてくる厳かな除夜の鐘を聴きながら、儚く願った。



元旦の朝は全員ダラダラな寝起きで。10時くらいにお雑煮を食べ、初詣に出かけた。
晴れているけど北風が結構強くて、ユカはナオの背中にしがみついて盾にしながら歩いてる。

「ユカ、歩きづれぇよっ」

「いーじゃん! ナオちゃん風除けになってよー」

たまに帰るからか、ユカの『お兄ちゃん子』が発動。昔から姉弟の仲が良くて、今もこうして変わらないから。
いつか長男役だった亮ちゃんも戻ってくるって・・・再会するまでどこかで夢見ていたのかも知れない。