『婚約者』。躊躇わずに言い切られた瞬間。


心臓が裂けて、破けた。


分かっていたのに。それでも。頭の天辺に何かが振り下ろされたみたいに。


圧し潰されたかのような衝撃と、絶望に飲み込まれて。


目の前が真っ暗になった。


なにか言いたいのに・・・なにも言葉が出てこない。


壊れたロボットみたいに固まったまま。


亮ちゃんをただ。見つめてた。