臆病な背中で恋をした ~2

「・・・もうわたしは要らないの・・・?」

小さな声だった。だから殺すのかと、言葉にならない声を聞く。

「・・・・・・違う」

口から漏れ出た機械的な響きは、どこか自分のものじゃないようだった。

「わたしがいない方がいい・・・?」

「違う」

たまらずに片手で顔を覆い、深く息を逃す。
明里が体を起こして、心細げに俺の名を呼んだ。

「・・・亮ちゃんの邪魔になるなら、ちゃんと消えるから。亮ちゃんの手を汚したりしないで・・・? 真下社長や津田さんの迷惑にもならないように一人で消える。大丈夫だから・・・、亮ちゃん」

そう言って明里は、か細い腕で俺をそっと抱き締めた。慈愛に満ちた微笑みの気配で。