臆病な背中で恋をした ~2

額にかかる前髪を指でそっと払ってやり、体を屈めて口付ける。

明里といる時だけは、生身の人間に戻る気がする。
誰かを殺すことにも躊躇いが無くなった俺が。
未来を望まなくなった俺が。
お前の温もりを感じながら死ねたらと願う。

赦されない滑稽さだと知りながら。

「・・・お前を連れてくるべきじゃなかった・・・」

呟きを漏らす。

このまま、いつか。
俺の道連れにする前に。

ここで手放すか。
それとも。

腕を伸ばす。
細い首元に。
指をかけて、少しずつ力をこめていく。

眠ったままの明里が小さく身動ぎした瞬間、我に返った。手を離しかけて、目が合う。俺を見つめる静かな瞳と。