「付き合ったその週には、同期会したばっかりだっつうのに男性陣だけ呼びつけて

『千夏は俺のだからぜってぇ手出すな』

って宣言してたんだけど……千夏ちゃん、そんなこと知らないか」


笹野くんの言葉に驚きを隠せないまま、首を何度も縦に振った。

知らない! 知らないよそんなことっ。

知っていたら愛されてる自信あったはずで、別れよう騒動なんてなかったのではないか。

というか龍樹くんそんなにわたしのこと好きなら好きって言ってよ……! とすら思える話だった。


「お前、近くにくんな 離れろ」


トイレから戻ってきた龍樹くんは機嫌が悪そうにわたしと笹野くんを離した。

龍樹くんの話を聞いて顔が真っ赤なわたしをじとっと睨み「それはなんで真っ赤なの?」と機嫌悪そうに言った。

意外とヤキモチ焼きな龍樹くん……可愛い。

「龍樹くん……わたしのこと、大好きなんだね」

「だからそう言ってるだろ」

「うん、よく わかったよ。へへへ」


付き合ってすぐから男性陣は知っていた故に、結婚するの意外と遅かったな……と言っていたのだろう。

小さな謎が解けてスッキリした同期会だった。