「ごめん」


良かれと思って謝ったのに、龍樹くんはまた更にイラっとした表情。

もう、わかんない。


「はぁ……。俺は謝ってほしいわけじゃない。

何が不満だった? 何が嫌だった? 言ってくれよ。言わなきゃわかんねーよ」


珍しく感情的になっている龍樹くんに、もしかして別れたくなかったの? なんて、これまた自分本位な考えが芽生える。


「なんで別れたいのか、それを聞きたいんだよ。前テレビ見てこの話したな。千夏はもう俺に誠意を持って接することができないってこと?」


……たしかに前言った。

会って別れるくらいの誠意を見せれる相手なら別れる必要あるのかな、って。

本当に別れたい相手ならメッセージでいいんじゃないのかな、って。

でも、それは違ったよ龍樹くん。


本気で好きだから、会ったら別れる覚悟ができないから、自分の口から言えなかった。

電話すらも無理なくらいに。