「……たしかに、私は自分勝手だけど……、その話は今関係ないよね?」


関係ないアイスの話をなぜこんな時に。と、少しムッとして睨む。


「あるわ。いくら俺に愛想つかしたからって、別れようの一言でハイそうですかって別れられると思ってんのか」


呆れたように

でも

ほんの少し悲しそうに言った龍樹くんは、わたしから目を逸らし、こっちを見ようとしなかった。



「俺、出張中だったんだぞ」

「えっそうなの?」


聞いてない……気がする。


「言ったろ。先週」

「そうだっけ……」


言ってたっけ。

確か月曜日はご飯行って……。

一年半記念日だったからもしかして、って期待していて、ろくに話聞いてなかったかも……。


「ごめん……」


でも! 出張と別れ話は関係ない!


「土日返上で働いてクタクタなところで、千夏からのメッセージ見た時の俺の気持ちわかるか?」


龍樹くんの気持ちは、龍樹くんじゃないしわかんない……。

とは、さすがにこの口でも言えなくて。