「なっ… …自分勝手……」

"じゃないもん!"と言おうとしたが、その瞬間、思い当たる節がありすぎて何も言えなくなった。


三ヶ月くらい前のこと。

デート中、

『アイス食べたい! 二つ頼むと一つおまけでついてくるって! 龍樹くんも食べる??』

『えっ、千夏二つも食べれるの?』

『食べたい! 龍樹くんも食べるよねー?!』

『そんなに食べたらお腹壊すよ?』

『平気!』

そんな私のワガママで食べることになったアイス。

まぁるいアイス三つ。

龍樹くんが選んだ味も美味しそうで、『おいしそー!』と言ったら、あげるよ、とあーんしてくれたので、お言葉に甘えてそれもちょくちょくもらった。

お腹のコンディション的にいけると思ったのに、結果的にデート中に

『お腹……痛い』

冷たいものの食べ過ぎて壊した。それは明確。

龍樹くんからしたら、注意しただろ! ってレベルのこと。そんなことで、デートを早く終わらせてしまったことがある。


そのとき龍樹くん……怒ってたっけ?

いや、怒ってない……?


『大丈夫? 病院行くか?』

『平気! 平気だから龍樹くん、早く帰ってー! 恥ずかしい。嫌われちゃう!』

『そんなんで恥ずかしがるな。千夏がお腹壊したくらいで嫌いになるかよ……』


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…優しかったな。

でも、あのときの私は一日自分勝手だった。

自負はある。