ファンタジー探偵と学園祭

クラスメートが次々とピーターパンに声をかける。ピーターパンは荒い呼吸を繰り返しながら言った。

「そんなことは……どうでもいい……」

「コロン忘れるなんて、ピーターもおっちょこちょいだね〜」

アリスがアイリーンに話しかける。アイリーンも頷きながら、考えた。

ピーターパンの腕には、相変わらずギプスがつけられている。

「ドレスが……みんなのドレスやタキシードが……ビリビリに破かれてるんだ!」

眠り姫の顔色が変わる。アイリーンはすぐにドレスのもとへ走った。

ダンスパーティーに向けて、生徒たちはドレスやタキシードを注文していた。ドレスやタキシードは五日ほど前に届いたばかりだ。

みんなのドレスなどが置いてある部屋のドアを開けると、ビリビリに破かれたドレスやタキシードが部屋中にあった。その部屋の中央には、ハサミが置かれていた。

「……ひどい」

眠り姫が呟く。他の生徒たちも口々に同じことを言った。

「あの女が……あの女がしたのよ!!」

眠り姫が大声でアイリーンに言った。普段おしとやかな眠り姫のこの態度に、アイリーン以外の生徒はみんな驚いた。

「かぐや姫よ!!そうに決まってるわ!」

眠り姫とかぐや姫は、この学園で一二を争うほどの美人だ。しかし、二人はとても仲が悪く顔を合わせればケンカをしてしまう。

「証拠もないのに犯人扱いするなんて、あなたって本当に最低ね」

かぐや姫が眠り姫の前に立ち、思い切り相手を睨みつける。眠り姫も負けじと睨み返す。空気がピンと張りつめた。

「あなた、自分一人が目立ちたいからこんなことしたんでしょう?自分一人が輝ければいいって思ってるわがままなんだから!」

そう言う眠り姫に意地悪な笑みを見せ、かぐや姫が言った。

「被害妄想なんてやめてくださる?証拠もないのに…。あなたって本当に馬鹿よね」