「おはよう!コウジよく眠れた?」

「おはよう涼子!ボブは?」

「もうそろそろ帰ってくると思うわ? あっほら!」

涼子がそう言ったとき、玄関のドアが開いた。

ボブは健康の為だと、毎朝5㌔のジョギングをしてる。

「オッ? ヤットオキタカ? イロオトコ!」

ボブは観光で来ていた涼子と出会い結婚した。涼子のお陰かボブは片言の日本語が喋れる。たまに変な言葉が出てくるがそれもご愛嬌と言ったところだろう?

「全然色男じゃないよ?」

「オレノ ダイジナムスメ キャサリンヲ ヒトリジメ シヤガッテ!?」

「いや…キャサリンが勝手にベットに入ってくるんだ?
大事な娘なら躾はちゃんとしろよ!?」

「アハハ… キャサリン トシゴロダカラナ? ソロソロケッコンヲ カンガエテ ヤラナイトナ? コウジ キミニナラ キャサリンヲ マカセラレルガ? ドウダイ?」

「断る!
俺には、梨華がいる」

「クノイチナド アキラメテ キャサリンニ シテオケ? サムライ ナラ トノノ イウコトハ キクモンダロ?」

くノ一って…
どっから出てきたんだ?

「ボブ、俺は日本人だが、侍ではない。いつの時代の話をしてる?」

「コウジごめんなさいね?
最近時代劇を気に入ってるみたいなの…」と、言う、京子の話を聞いて、納得いった。

「ボブ、梨華はくノ一じゃない」

「ダガ マダ スガタ アラワサナイ?」

「………」

「ヤッパリ ノガレモノ クノイチ?」

逃れものって…
確かに俺から逃げてるのかも知れない
でも…

「コウジ? 梨華を愛してるなら、探しに行くべきよ!」

京子…

「でも…彼女が望んでなければ…」

「結果を恐れていてはダメ!
ボブは仕事を失う覚悟して、私を口説くためだけに、二年間も日本に通って来たわよ?」

えっ!?
Coldmanと呼ばれるボブが!?

「キョウコ ソレハ ヒミツデスネ! シタノモノニ ヨワミヲ ニギラレテハ アシヲトラレマース!」

ボブ…それを言うなら
足を掬われるだろ…?

「ボブ!俺を日本に行かせてくれ?」

「ダメデス!! イマ キミハ ダイジナ ジキデス アラタナ デレクター ノ イスガ…」

「ボブ…」

日本支社を立て直した事を評価してくれてるボブの気持ちはありがたい。だが、俺には梨華が必要なんだ。

「デモ トメテモ ムダナヨウ デスネ?」

「ありがとう!」

「カナラズ クノイチ ヲ ミツケテ クルノデスヨ? ホネ ハ キャサリン ニ ヒロワセマス」

「それはあまり嬉しくないが、行ってくるよ?」

結果がどう出ようと
必ず梨華を見つける!