次の日の朝。学校に行く準備をして、お母さんと外に出た。


「よっ!」


「翼……!?」


後ろでお母さんが絶句している。私が男子と関わることがないのを知っていたから驚いているんだろう。


「お母さん、行ってきます!」


「あっ……行ってらっしゃい」


翼と一緒に歩く。彼は自転車通学なのか、自転車を引いて来ている。


「本当にビックリした……何で来たの?」


「もっと話したいって思ったから。でもお母さんを驚かせたのは悪かったよ」


「いいよ。私も翼と話したかったし……」


昨日の夜から会いたいと思ってたからすごく嬉しい。


二人で他愛ない話をしていると、周りから好奇の目で見られた。


学校一嫌われ者の私とイケメンの翼と居たらみんな驚くのは当たり前だよね。噂が広がりそうだ。


「おはよ……翼!?」


生徒玄関で挨拶をしている生活委員が翼の隣に居る私を見て驚いていた。


「えっ、彼女?」


「何でそうなるんだよ。まだ何もなってねぇし……」


翼は頭を掻きながら、否定する。まぁ、何もなってないのは確かだよね。


「お前が後輩の女子と仲良くしてるのなんてあり得ないから、なんかあったかなって……」


「まぁね……」


たどたどしく会話する翼を隣で見ていた。照れているのかわからないけど、顔がほんのり赤く見えた。


「じゃあね!」


「またな!」


二階の階段で私達は別れた。寂しさが込み上げてくる。


体育祭練習で会えるから我慢しよう。