私が廊下を歩くと、みんなは白い目で私を見てくる。
『うわー、ブサイク』
『ブスは死ねばいいのにねぇ』
あまり気にしないで生きてきたけれど、聞こえるとけっこう傷付く。
「あの本村花菜って、年上にヤられたんだって。可哀想」
「ブスが?可哀想だねぇー」
突然現れたありもしない噂。年上にヤられたことはまずない。まず、中学生の私にはそういうのはわからない。
「白軍の団長さんと仲良しなのは本当かな?本村はそんな感じじゃなさそうだしー」
「今日は優しくされてたよねぇ」
団長さんとの噂がまわってる。すごく申し訳ない気持ちになった。
周りの人に言い放題に言われて、私の人生は最悪だ。
もう一度同じ人生を歩むのかと問われれば、私は全力で否定するだろう。
早く死にたい。
私の人生を無かったことにしてほしい。
――死ね。
いつも学校で言われている言葉。もう慣れてしまったよ。
もう、消えようかな。