美月が誰かを待っている――そう聞いてなんだかちょっとむっとしてしまったが、自分だって誰かを探している。
互いに誰か分からない者を探していることに共感を覚えこそすれども、それでも何やら釈然としないものを感じて、設計図を丸めて居間に放り投げると、ごろんと横になった。
「お主は…妖なのに日中も平然としていますね」
「そこらの奴らと一緒にするな。うちは代々力の強い者が多い」
「それはそうでした。…失礼、ちょっと手を洗いたいのですが井戸を使ってもいいですか?」
「ああ、井戸ならそこをまっすぐ……おい、案内しなくていいのか?」
良夜が案内しようとしたが、美月はまるで井戸の場所を分かっているかのような足取りで井戸に向かって真っすぐ進んで行った。
…少し試してみたくなった良夜は、しばらくして戻って来た美月が座る前に屋敷の奥の方を指した。
「そういえば美味い饅頭を貰ったんだった。台所にあるから取って来てくれ。一緒に食べよう」
「全く…人使いが荒いですね」
「お前、人じゃないだろう?」
「!……そうでした…口から突いて出てきてしまったわ…」
――良夜がじっと見守る中、またもや美月は台所の場所が分かっているかのように居間を通り抜けて廊下を歩いて行った。
…ここへ連れて来たのはつい先日のこと。
台所など案内したことがないはずなのに、美月はちゃんと皿に乗せた饅頭を持って来た。
「雨竜は食べれるでしょうか」
「さあ、腹を下すかもしれないからやめておいた方がいい」
餡子入りの饅頭を美味しそうに頬張った美月を寝転んだまま頬杖を突いて見ていた良夜は、神羅という名の女を思い出して目を閉じた。
互いに誰か分からない者を探していることに共感を覚えこそすれども、それでも何やら釈然としないものを感じて、設計図を丸めて居間に放り投げると、ごろんと横になった。
「お主は…妖なのに日中も平然としていますね」
「そこらの奴らと一緒にするな。うちは代々力の強い者が多い」
「それはそうでした。…失礼、ちょっと手を洗いたいのですが井戸を使ってもいいですか?」
「ああ、井戸ならそこをまっすぐ……おい、案内しなくていいのか?」
良夜が案内しようとしたが、美月はまるで井戸の場所を分かっているかのような足取りで井戸に向かって真っすぐ進んで行った。
…少し試してみたくなった良夜は、しばらくして戻って来た美月が座る前に屋敷の奥の方を指した。
「そういえば美味い饅頭を貰ったんだった。台所にあるから取って来てくれ。一緒に食べよう」
「全く…人使いが荒いですね」
「お前、人じゃないだろう?」
「!……そうでした…口から突いて出てきてしまったわ…」
――良夜がじっと見守る中、またもや美月は台所の場所が分かっているかのように居間を通り抜けて廊下を歩いて行った。
…ここへ連れて来たのはつい先日のこと。
台所など案内したことがないはずなのに、美月はちゃんと皿に乗せた饅頭を持って来た。
「雨竜は食べれるでしょうか」
「さあ、腹を下すかもしれないからやめておいた方がいい」
餡子入りの饅頭を美味しそうに頬張った美月を寝転んだまま頬杖を突いて見ていた良夜は、神羅という名の女を思い出して目を閉じた。

