***
───あ、
「大馳〜〜!」
放課後の空は綺麗な茜色に染まり、1日中休むことなく私たちを照らしてくれていた太陽が、今日もゆっくりと沈もうとしている。
生徒玄関を出た私は、校門へ向かって歩く愛しい人の後ろ姿を見つけて、思わず声を大にして名前を呼んだ。
同時に、体育で50m走の記録を測る日にすら披露したことがないくらいの速さで駆け出す。
「待って待って〜!!」
「……お前は、相変わらず声デカすぎ!リモコンあったら即ミュートボタン押してるレベルだぞ」
すぐに追い付いて隣に並んだ私を、いつも通りうるさそうに顔をしかめながら見下ろす大馳。
───あぁ、その冷たい流し目ですらかっこいいよ。
「ミュートしたら聞こえないじゃんか」
「……?だからミュートするんだろ」
あたかも当然みたいな顔して、サラッと酷いことを言うのが大馳の平常運転。
つまり大馳は遠回しに『お前の声なんか聞きたくない』って言いたいわけだ。
───気にしたら負け。
そうは思いつつも、大馳に気付かれないように心の中でほんの少しだけ凹んでみる。
───あ、
「大馳〜〜!」
放課後の空は綺麗な茜色に染まり、1日中休むことなく私たちを照らしてくれていた太陽が、今日もゆっくりと沈もうとしている。
生徒玄関を出た私は、校門へ向かって歩く愛しい人の後ろ姿を見つけて、思わず声を大にして名前を呼んだ。
同時に、体育で50m走の記録を測る日にすら披露したことがないくらいの速さで駆け出す。
「待って待って〜!!」
「……お前は、相変わらず声デカすぎ!リモコンあったら即ミュートボタン押してるレベルだぞ」
すぐに追い付いて隣に並んだ私を、いつも通りうるさそうに顔をしかめながら見下ろす大馳。
───あぁ、その冷たい流し目ですらかっこいいよ。
「ミュートしたら聞こえないじゃんか」
「……?だからミュートするんだろ」
あたかも当然みたいな顔して、サラッと酷いことを言うのが大馳の平常運転。
つまり大馳は遠回しに『お前の声なんか聞きたくない』って言いたいわけだ。
───気にしたら負け。
そうは思いつつも、大馳に気付かれないように心の中でほんの少しだけ凹んでみる。


