サラサラと揺れる短髪は、明るめのモカベージュ。

その笑顔は国宝級にかっこいい!とさえ言われる甘いマスクで、女の子達から絶大な人気を誇っているのだ。


私から見ても杉浦くんは確かにかっこいいから、納得せざるを得ないけれど。



「……やっば、英語の課題すっかり忘れてた!」


「俺ので良かったら写す?」


天は二物を与えず?ううん……だって杉浦くんは、性格までもパーフェクトなのだから。

まさに神に愛された男。


「い、いいの?助かる!」


「澪央ちゃんにだけ、特別ね」


───ドキッ


シーッと人差し指を鼻先に当てて、悪戯にナイショポーズを披露する杉浦くん。


ふ、不覚にもドキッとしてしまった。


「ほんと、杉浦くんは澪央ちゃんに甘々だねぇ」


「澪央ちゃんの何に対しても真っ直ぐで、一生懸命なとこ、すげぇ可愛いじゃん」


「あ!それはすごく分かるなぁ。見てて飽きないって言うか、人を惹きつける力があるよね、澪央ちゃんには」


……?

私そっちのけで盛り上がるマナと杉浦くんに、なんの事やら……と首を傾げる。


そんな私に英語のワークを差し出して「早いとこ写しちゃいなよ」と、天使の笑顔で悪魔の囁きをするのもまた、杉浦くんだ。