つい一週間前までは、思ってもみなかった。大馳に好きな人がいるなんて。
そうだよなぁ。
私が大馳を好きなように、大馳が誰かを想ってたっておかしいことじゃないのに。
大馳が見えなくなってすぐ、へなへなとその場にへたり込む。相変わらず土手はカップルや家族連れでいっぱいで、たった今独りぼっちになった私のことなんて、誰一人気にも止めていない。
「さぁ、皆さん!いよいよ打ち上げ5秒前で〜す!」
陽気なお姉さんがマイクを通して花火打ち上げ5秒前を知らせれば、待ってましたとばかりに集まる人々は声を揃えてカウントダウンを始める。
3……
2……
1……
ヒュ〜〜〜〜〜
───────ドーンッ
大きな音を立てながら、一斉に打ち上げられた花火たちは、赤や青や緑……色とりどりの光となって夜空を舞う。
辺りから「おぉ〜!」なんて歓声が沸き起こる中、私の目からはなぜか涙が溢れてきて、
「綺麗〜。大馳と、見たかったな」
今更、大馳の背中を押したことを後悔していたりするのだから、やっぱり偽善者でしかなかったのだろう。
私の想いも今日、この花火と一緒に秋空に儚く散ってしまえばいいのに───。
そうだよなぁ。
私が大馳を好きなように、大馳が誰かを想ってたっておかしいことじゃないのに。
大馳が見えなくなってすぐ、へなへなとその場にへたり込む。相変わらず土手はカップルや家族連れでいっぱいで、たった今独りぼっちになった私のことなんて、誰一人気にも止めていない。
「さぁ、皆さん!いよいよ打ち上げ5秒前で〜す!」
陽気なお姉さんがマイクを通して花火打ち上げ5秒前を知らせれば、待ってましたとばかりに集まる人々は声を揃えてカウントダウンを始める。
3……
2……
1……
ヒュ〜〜〜〜〜
───────ドーンッ
大きな音を立てながら、一斉に打ち上げられた花火たちは、赤や青や緑……色とりどりの光となって夜空を舞う。
辺りから「おぉ〜!」なんて歓声が沸き起こる中、私の目からはなぜか涙が溢れてきて、
「綺麗〜。大馳と、見たかったな」
今更、大馳の背中を押したことを後悔していたりするのだから、やっぱり偽善者でしかなかったのだろう。
私の想いも今日、この花火と一緒に秋空に儚く散ってしまえばいいのに───。


