好きなら追いかけなきゃダメだよ。易々と他の男に泣かされてる場合じゃないよ!
いや、泣いてる理由は分からないけど。
って、私は何で好きな人の背中押しているんだろう。どこまでもバカ過ぎて自分に呆れてくる。
「あ〜!っくそ、じゃあちょっと行ってくる!……茜、マジでここから動くなよ?」
「うん」
「絶対、動くなよ!いいな?」
「も〜、そんな子ども扱いしないでよ!私のことはいいから、幼なじみちゃん送って帰ってあげなよ。家、隣なんでしょ」
……あれ、ちょっと皮肉っぽかったかな。
「茜は十分ガキだろーが。すぐ戻っから、ここで待っとけよ」
「……うん」
胸の奥で嫉妬しながら、それでも大馳の背中を押す私は偽善者なのかもしれない。
だけど。
「行ってくる」
ポンポンと私の頭を撫でる大馳の大きな手に泣きそうになりながらも、私に背を向けて走り出した大馳の後ろ姿に思うのは、
"がんばれ"と、"行かないで"なんだ。
応援したい気持ちも、それでもやっぱり大馳を好きな気持ちも、どっちも嘘じゃないんだから……
もう、どうしようもないじゃんか。
いや、泣いてる理由は分からないけど。
って、私は何で好きな人の背中押しているんだろう。どこまでもバカ過ぎて自分に呆れてくる。
「あ〜!っくそ、じゃあちょっと行ってくる!……茜、マジでここから動くなよ?」
「うん」
「絶対、動くなよ!いいな?」
「も〜、そんな子ども扱いしないでよ!私のことはいいから、幼なじみちゃん送って帰ってあげなよ。家、隣なんでしょ」
……あれ、ちょっと皮肉っぽかったかな。
「茜は十分ガキだろーが。すぐ戻っから、ここで待っとけよ」
「……うん」
胸の奥で嫉妬しながら、それでも大馳の背中を押す私は偽善者なのかもしれない。
だけど。
「行ってくる」
ポンポンと私の頭を撫でる大馳の大きな手に泣きそうになりながらも、私に背を向けて走り出した大馳の後ろ姿に思うのは、
"がんばれ"と、"行かないで"なんだ。
応援したい気持ちも、それでもやっぱり大馳を好きな気持ちも、どっちも嘘じゃないんだから……
もう、どうしようもないじゃんか。


