まずは来客があれば、カウンターに立って接客し、社長のデスクに放置された名刺の山の整理、営業のシマにあるテーブルに置きっぱなしにされた過去のファイルの整理。

社員の顔と名前と所属がわかれば電話番もできるようになり、クライアントや取引先も覚えるし。

そして、営業事務さん達の下働きのために社長にパソコンの使用許可を求めるとその日のうちに私専用のパソコンが届き、空いていた営業のシマに私のデスクができた。

それからは社長のスケジュール管理から会議の議事録作成、取引先への手土産の手配から総務の手伝い、光さんのサポートやイベントの手伝いもやった。
そんな風にして会社の流れを知ってからは徐々に営業や監督のサポートのために現場にも出るようになった。

半年後、社長から偽カノの話があるまで社内で正式な私の所属部署はなくて、あちこちのサポートが仕事になっていた。

『社長秘書』の肩書をもらった後でも社長のお供が増えただけで、『社長秘書』らしい仕事はスケジュール管理だけ。そのままいろいろな人のサポートは続いていたのにーーー今はこうして厚木にいる。

入社時のあれこれが今は懐かしい。