「目の前で女の子が転んだのに心配してくれないんだ」 「しただろう。それに痛くないって言ったじゃないか」 「転んだのは痛くないけど、私はいまとても心が痛いよ」 「幽霊にも心があるのか?」 「……酷い人」 「なんだよ。さっきはいい人だって言ってたのに」 「さっきまではいい人だった。でもいまは酷い人」 「はっきりしないなぁ」 「女の子はそういうものなんだよ」 「複雑だな」 「複雑だよ」