※※※ 丘の上でシヅキのことを想って、そこからは自転車に乗って家に帰った。 帰ると海が出迎えてくれた。 空は父さんとバラエティ番組を観ている。 母さんは夕飯の準備をしてくれた。 温め直された夕飯を、海の話しを聞きながら食べた。 時折バラエティ番組を観ている空の笑い声が聞こえた。 父さんが「ビールをくれ」という声が聞こえた。 母さんは「はいはい。ちょっと待ってくださいね」と応えている。 俺はついその度に大好きな人の声を探してしまう。