それから一度空を見上げた。 まだ夜ではないから星は見えない。 それでもどこかでシヅキが見守っててくれるのを感じた。 夜はまだ少ししか訪れていなくて、そこにはまだ太陽が残っていて。 月も星も見えなかった。 濃いオレンジと、遠くの方が少し暗くなっていて。 シヅキの瞳の色と同じ、深い黒に色づき始めていた。 自転車の横に置きっ放しにされた缶といま空になったばかりのペットボトルを自販機の横のゴミ箱に捨てた。