「何がいいかなー」

「何がいいだろうねー」

凪の言葉にシヅキが返す。

今日は昨日がなかったみたいにいつものシヅキで、授業中もうるさくいまも凪との会話に普通に入り込んでいる。

「どこに行くんだ?」

「駅前のデパート」

「あそこなら大きいからいろんなものありそうだよね」

「いろんなものが揃ってるから選び放題だよ」

並んで歩きながら微妙に会話が成り立ってるのを見ているとシヅキが生きてるんじゃないかと錯覚してしまう。

制服こそちがうけどその体は浮くことも透けて見えることもなく、本当に普通の女子高生そのものなのだ。