決して結ばれることのない、赤い糸

「…かりん」

「ん?」

「その水着……」


そう言って、隼人は顔を上げる。


「あっ…!もしかして、この水着…変だった!?そもそも、わたしには似合ってないよね…!」


優奈のオススメでこの水着にしたけど、もっとシンプルなものにしておけばよかったかな。


「そうじゃなくて…!」

「…え?」


そうじゃないなら、一体…。


「すっげーかわいい。…かりんに似合ってて、思わず見入っちゃった」


照れくさそうに、やっと聞き取れるくらいの小さな声でつぶやく隼人。


「…えっ、似合ってる…?でも、カズがどうでもいいって…」

「どうでもいいわけないだろ。いつもと雰囲気が全然違うから、なんかすっげー新鮮」


少し赤いような隼人の顔。


もしかして、ドキドキしてくれているのかな…?