決して結ばれることのない、赤い糸

優奈に言われるがまま、思いきってビキニを買ってみたけど、いざ着てみると――。

…やっぱり、恥ずかしいっ!!


優奈は上下黒のビキニで、胸元にサングラスをかけている。


「早く行くよっ!隼人もカズも、もう着替え終わって待ってるって!」

「う…うんっ」


どんな顔をして、外に出ればいいのなわからないけど…。

わたしは、渋々更衣室から出た。



「女子って、そんなに着替えるのに時間がかかるもん?」


外では、待ちくたびれたというような表情のカズが待っていた。

その脇には、ぷっくりと膨らんだ青い浮き輪。


「ごめ〜ん!かりんが恥ずかしがって、なかなか出ようとしなくてっ」


優奈はなんの抵抗もなく、ビキニ姿のままカズに歩み寄る。


「…かりんが?」


そうつぶやくと、カズはわたしに目を向けた。