決して結ばれることのない、赤い糸

「…恥ずかしいからあんまり見ないで」

「な〜に言ってんの!すっごくかりんに似合ってるんだから、堂々としてたらいいの!」


体を隠していたタオルを、優奈に奪い取られる。

姿見に映し出された自分の姿に、恥ずかしさのあまり思わず目を背ける。


わたしが着ているのは、花柄のビキニ。

胸のところにフリルがついているかわいいデザインだ。


だけど、ビキニなんて着るのが初めてだから、タオルかパーカーで露出してる部分を隠したくてたまらない。


海やプールに最後に行ったのは、小学校低学年のとき。

優奈の両親に連れていってもらっていた。


でもそれ以来行ってなかったから、もちろん古いデザインの水着しかなくて。

そもそも身長も伸びていたから、着ることさえできなかった。


だからこの機会にと、優奈に誘われてこの前水着を買いにいっていた。