「初めから瀧を入れておけばいいものの、遅いよ監督〜!」

「でも、これで決まったな」


その言葉どおり、隼人は俊足を生かして相手ゴールを攻めると、後半開始5分で念願の日本初得点を挙げた。


「うぉぉぉー!!さすが瀧っ!」


店内は大盛り上がりだ。


そしてゴールを決めた隼人は、テレビカメラに近づくと、右手をスッ挙げ、親指と人差し指を立てた。


…あれは――。


「出た〜!瀧のキラーピストル!」

「かっこよすぎて、たまんないっ!」


隼人は右手でピストルのような形を作って、カメラ目線を送る。


「キラーピストル見たくて、瀧のゴール期待しちゃうもんね〜」

「そうそう♪」


後輩たちが口々に言う『キラーピストル』とは、隼人のゴール後のあのサインの名前だった。


『ピストルで心を射抜かれる』