決して結ばれることのない、赤い糸

「な〜んだ。隼人って、意外と奥手なんだっ」

「…奥手もなにも、わたしたち…まだ付き合って1ヶ月もたってないんだよ?」


キスはおろか、デートさえもまともにしたことがないというのに。

今回は優奈とカズもいるけど、隼人とどこかへいっしょに出かけるというのは、付き合ってからではこれが初めてのことだ。


そんなわたしたちなのに、キ…キスなんてっ…。


更衣室で着替えながら話を聞いていると、どうやら優奈とシゲキくんはキスをしたことがあるらしい。

春休みのわずかな期間しか付き合っていなかったのに。


「まぁ、心配しなくても大丈夫!今日でさらに、隼人はかりんにメロメロになるんだから〜♪」

「…いや。わたしはべつに、そういうつもりはないんだけど…」


と言うわたしの体を舐めるように視線を注ぐ優奈。