決して結ばれることのない、赤い糸

中から、1枚の紙を取り出す。

この紙の表に、わたしと隼人の運命を左右する内容が書かれている。


隼人がそっと、テーブルの上に置いていたわたしの手を握る。


隼人がゆっくりと、鑑定結果の用紙をひっくり返した。

息を呑んで、目を向ける。


そこに書かれていた内容とは――。


【瀧隼人、広瀬かりん。両者が実の兄弟である肯定確率は、99.99999994%】


なにも言葉は出なかった。


わたしたちが兄妹だということは、ほぼわかっていたけれど――。

抗いたかった。


0.1%の可能性にかけたかった。


だけどもうこれで、本当に証明されてしまった。

わたしと隼人は、正真正銘の兄妹だということを。



沈みゆくオレンジ色の夕日。

静かな波の音。


わたしと隼人は、海辺を歩いていた。