決して結ばれることのない、赤い糸

優奈もなにかを察してくれていて、なにも聞かずにいてくれている。


だけど、やっぱり自分の気持ちに整理がつかなくて――。


数日後、わたしと隼人はまたあの屋上で待ち合わせした。


「…かりん、なんか…久しぶりだな」

「うん…。そんな気がするね」


わたしたちはフフッと笑う。

でも、それは見せかけの笑みで、心の底からは笑えない。


「わたし…、まだ信じられないんだよね。隼人と兄妹だってこと…」


わたしたちが兄妹ということは、戸籍謄本が証明している。

お母さんと鷹さんの話も嘘偽りなく、辻褄が合う。


正真正銘、わたしたちは双子の兄妹なんだろうけど――。


どうしても認めたくなかった。


すると、隼人はわたしの肩にそっと手を置いた。


「…俺も。紙切れの上では『兄妹』かもしれないけど、…そう簡単に飲み込めない」