決して結ばれることのない、赤い糸

――だけど。


「ねぇ…、お母さん。隼人とは…、別れなくちゃいけないかな…」


わたしの問いに、お母さんは黙り込む。


その沈黙が答えとなっていた。

いや、お母さんに聞かなくたって、もう答えは出ていた。


なぜなら、兄妹であるわたしと隼人がこの世で結ばれることなんて…絶対にあってはならないんだから。



それから、隼人とは距離を置いた。

どちらからどう言ったわけではないけど、お互いの思っていることがわかるような気がするから。


それは、気が合うカップルというわけではなくて…。


――わたしたちは、双子だから。

相手の気持ちがわかってしまうんだ。


カズには、あれから隼人とどうなったかと聞かれたけど、『別れた』とも『ヨリを戻した』とも言っていない。

曖昧にして流している。