決して結ばれることのない、赤い糸

お母さんの服から、鷹さんのお店のお香の香りがした。

お母さんは隠していたけど、やっぱりあのとき…鷹さんのお店にきて話をしていたんだ。


だから、そのあと隼人とは別れるように言ってきた。


隼人のほうもそう。

鷹さんから隼人の両親に伝えられ、わたしたちをこのままにしてはいけないと。


「隼人とかりんちゃんが、それぞれどこでだれと出会って付き合うかなんて自由だ。…だけど、2人がお互いを好きになるのだけは許されないんだっ」


鷹さんは悔しそうに唇を噛みしめる。


鷹さんもお母さんも、わたしたちの付き合いを応援してくれていた。

だけど、わたしたちが兄妹と知った以上、どうしても別れさせなければならなかった。


わたしが隼人と別れることになったと話したら、お母さんはわたしといっしょに泣いた。