決して結ばれることのない、赤い糸

「…だから、まさかかりんちゃんがあのとき生まれた女の子だなんて思わなかった」

「私もそう…。違う家で別々に育ったはずなのに、まさかこうして巡り合うだなんて…」


生き別れた双子が大きくなって再会するだなんて、だれが想像しただろう。

その2人が、自分たちの出生の秘密も知らずに惹かれ合って恋に落ちるだなんて…だれが想像しただろう。


「夏休みにきたとき、千春さんがかりんちゃんをここへ迎えにきて、まさかとは思ったよ」


そういえばあの日、鷹さんとお母さんは初対面のはずなのに、どこか様子がおかしいと思った。


『かりんが大変お世話になりました』

『いえいえ、とんでもな――』


2人にとっても、あれが16年ぶりに再会したのだった。


「それで、後日千春さんを呼んで話し合って、2人が兄貴と夏美ちゃんと子どもってことがわかったんだ」