決して結ばれることのない、赤い糸

しかし、心配事が1つだけあった。

それは、なっちゃんの体のこと。


なっちゃんは、人よりも少し体が弱かった。

それに、身ごもったのは双子。


なっちゃんの体力のことも考えて、予定日前に帝王切開で出産する計画が立てられた。


生まれるその日をなっちゃんと隼さん、お母さんと鷹さんは心待ちにしていた。


――ところが。


計画出産予定の1週間前に、なっちゃんは突然の出血で病院に運ばれた。

出血量も多く、このままでは母子ともに危険と判断され、緊急帝王切開をすることに。


それが4月30日の23時を過ぎたときのことだ。


その頃、隼さんは高校を辞めて働いていた。

仕事を終えて帰宅する途中で、なっちゃんが病院に運ばれたことを知った。


23時57分、隼人が生まれた。

そして日付を跨ぎ、隼人が生まれた5分後にわたしが生まれた。