決して結ばれることのない、赤い糸

そこに記載されていた内容は、隼人の戸籍謄本と同じ――【父、水原隼】【母、広瀬夏美】だった。


わたしは涙を流した。

隼人の胸を借りて、涙が枯れるまで。



その夜、わたしはお母さんに戸籍謄本を見せた。

お母さんはひどく驚いて、洗い物のお皿を落として割ってしまうくらい。


「わたしのお母さん…って、なっちゃんだったんだね」


隼人の胸であんなに泣いたはずなのに、また涙があふれた。


お母さんは、もう隠すことはしなかった。

正直にすべて話すからと言って、数日後、わたしをある場所へ連れてきた。



「ここって…」


そこは、鷹さんが経営するバー『Falcon』だった。


営業前で、まだ表に明かりはついていない。

だけど、中へ入ると、ペンダントライトのオレンジ色の明かりがぼんやりとカウンターを照らしていた。