決して結ばれることのない、赤い糸

「そうだけど…。これ…、なんなの?」


わたしが尋ねると、隼人は目を伏せた。


「これは、俺の戸籍謄本だ」

「戸籍…謄本?」

「ああ。…俺の本当の母親の名前は、『広瀬夏美』」


キュッと唇を噛みしめる隼人。

スマホを握る手も震えている。


「…そんな。そんなはずないよ…。なんでなっちゃんが隼人の戸籍に……」

「…それと、本当の父親は『水原(しゅん)』」

「水原…?」

「気づいた?鷹さんと同じ名字…。前に鷹さんが話していた…亡くなったっていうお兄さんだ」


…隼人は、今の両親の本当の子どもじゃない?

なっちゃんと、鷹さんのお兄さんとの…子ども。


「パスポートの申請で戸籍謄本が必要だっただろ?母さんは、俺には見られないように隠してたつもりなんだろうけど、たまたま見つけて…」