決して結ばれることのない、赤い糸

本気で、初対面の鷹さんを狙ってるわけではないと思うけど――。

優奈にとっては、そんな話もあいさつがわりなのかもしれない。


「でもオレ、優奈ちゃんよりだいぶ年上だよ?」


なぜか渋い顔をする鷹さん。


そんな優奈と鷹さんのやり取りを見て、笑いを堪えきれなくなった隼人がプッと噴き出した。

どうやら隼人は、鷹さんがそんな顔をする理由を知っているようだ。


「優奈。鷹さん、いくつだと思ってるんだよ?」

「…え?ハタチとか、そのくらいなんじゃないの?」


隼人の質問に、キョトンとする優奈。

すると、鷹さんの表情が緩む。


「うわぁ〜!うれしいな!オレって、そんなに若く見えんの!?」


喜ぶ鷹さんに肩を組まれた隼人は、やれやれというふうにあきれ顔だ。


「…鷹さん、今年で27歳だよ。れっきとしたアラサーオジサン」