決して結ばれることのない、赤い糸

教室に戻ると、優奈が駆け寄ってきた。


「隼人と話してたの?」

「う…うん」

「ほんと、相変わらず仲いいよね〜♪」


優奈のその言葉に、わたしは反応できなかった。


『じゃあ、別れて』

『なんでもするだろ?だったら、今すぐ別れて』


隼人の言葉が頭の中で繰り返される。


悪い夢を見ていると思いたい。

あんな一方的に別れたいなんて言われて、簡単に納得できるわけないよ…。


【もう一度話したいたい】


わたしは震える指先で、隼人にメッセージを送ったのだった。


しかし、週末に入っても隼人から返信がくることはなかった。

わたしが送ったメッセージには、そもそも既読マークすらつかない。


だけど、新たにメッセージを送ることも、隼人に電話をかけることも、わたしはこわくてできなかった。