決して結ばれることのない、赤い糸

「…隼人とケンカでもした？」


いつもと違うことに、なにも相談していなかったカズだって気づくくらい。


部活では普通にしているらしいけど、わたしに対しての態度は先週までとはまったく違った。


だから、この状況に耐えられなくなって、わたしは金曜日のお昼休みに隼人を屋上に呼び出した。


「ねぇ、隼人…。最近、雰囲気が変わったんだけど、わたし…なにかしたかな」


もしかしたら、知らないうちに隼人が嫌がるようなことをしてしまっていたかもしれない。

自分では気づいていないだけで。


だから、それなら直したいし、謝りたいと思っていたんだけど――。


「…べつに。なにもないよ」


隼人はそれだけ言って、面倒くさそうに頭をかく。


「なにもないの…？そんなことないでしょ…!?だって隼人、全然雰囲気も違うしっ…」