決して結ばれることのない、赤い糸

わたしは、朝から隼人に会えてうれしかった。

だけど、隼人はわたしと同じ気持ちでないことはすぐにわかった。


「…この土日は、ちょっと忙しかったから」


視線を逸らして、どこか気まずそうな態度の隼人。


「かりん。そろそろチャイムが鳴るから、自分の教室に戻ったら?」


隼人はそれだけ言うと、わたしの返事も聞かずに自分の教室に入ってしまった。


チャイムが鳴るまで、まだもう少し時間があったから話したかったんだけど…。


席についてクラスメイトと話す隼人を、わたしはただ廊下から眺めることしかできなかった。


…いつもの隼人と違う。


それは明らかだった。


普段なら時間があれば、休み時間にわたしの教室まで遊びにきてくれる。

それが、今週は一切なかった。


結局、メッセージのやり取りもほとんどない。