決して結ばれることのない、赤い糸

〈それなら、かりんもな!〉


そんなたわいのない話をしていた。

そして、電話を切ったら【おやすみ】とお互いにメッセージを送り合う。


いつもと変わらないやり取り。

もはや日課となっていた。


――だから、思ってもみなかった。


この毎日の些細なやり取りが、…今日で最後だったなんて。



次の日。

いつもなら、朝起きたらくるはずのメッセージも…今日はこなかった。


【おはよう】と送っても、なにも返信がない。


パスポートの申請に行くと言っていたし、朝から忙しいのかな?

そう思って、あまり気に留めていなかった。



翌週の月曜日。

…結局、この土日は隼人からの連絡はなかった。


新たに付き合い出してから、メッセージのやり取りが一切ないのは初めてのことだった。

なにかあったのではと心配したけど、【既読】のマークはついている。