決して結ばれることのない、赤い糸

そして、鷹さんは次にわたしと優奈に視線を移す。


「はじめまして、隼人の親戚の水原(みずはら)鷹ですっ。隼人がいつもお世話になってます」

「い…いえ、こちらこそお世話になってます…!」


わたしと優奈もペコペコと頭を下げる。


「…で、隼人っ。どっちがお前の彼女だよ〜?早く紹介しろよ〜」


隼人の脇腹を何度も小突く鷹さん。


「ちょっ…、鷹さん!いきなりすぎだろ…!」

「いいじゃん♪電話で『彼女もいっしょに連れていく』って言われてから、ずっと楽しみにしてたんだからっ」

「…べつに今じゃなくたって、あとからでもいいだろー!?」


にやける鷹さんの隣で、隼人は顔をほんのり赤くしながら頬をかいている。


わたしと隼人は付き合っている。

だけど、まだ『彼氏』『彼女』というワードが気恥ずかしかった。