決して結ばれることのない、赤い糸

もちろん、海の家もたくさん軒を連ねている。


(たか)さん、迎えにきてくれるんだっけ?」

「そう言われてる。着いたら、連絡するようにって」


カズの質問に、隼人はスマホの画面に目を向けて時間を確認する。


「隼人。『鷹さん』っていうのが、その親戚の人?」


2人の会話を聞いた優奈が、隼人に尋ねる。


「そうそう。正確には、俺の“遠い”親戚だけどね」

「そうなんだ!カズも知ってるの?」

「ああ。毎年、夏休みになると隼人といっしょに鷹さんの海の家に遊びに行ってたから」


そっか。

2人は、小学校からの親友だもんね。


〜♪〜♪〜♪〜♪


そのとき、隼人のスマホが鳴った。


〈もしもし?〉


どうやら電話のようだ。


〈うん、そうそう。今、入口の看板のところにいるんだけど――〉