だけど、あれは隼人のことを大事に思っているからこそ出てきた言葉だということはわかっているから。


こうして、すべてのわだかまりがなくなり、隼人と過ごす新しい夏がやってきた。



「かりん、鷹さんって覚えてる?」

「鷹さん…?もしかして、海の家の?」

「そうそう!」


夏休みに突入して、今日は隼人と映画を観にきていた。

ファミレスでお昼ごはんをいっしょに食べていると、懐かしい響きの名前が隼人の口から出てきた。


鷹さんとは、隼人の遠い親戚のおじさんだ。


中学1年生の夏休み、鷹さんの海の家がある海水浴場まで遊びに行った。

そして、わたし、隼人、優奈、カズの4人で、鷹さんが借りてくれたコテージで1泊過ごした。


その夜、わたしと隼人は初めてキスをして…。


と、たくさんの思い出の残る夏休みだったから、3年ぶりといっても鷹さんのことは覚えていた。