決して結ばれることのない、赤い糸

「…そうだよね。瀧くんって優しいから――」


そう言いかけて、わたしはポカンと口が空いた。


あれ?今……。


「“友達”って…言った?」


わたしの問いにキョトンした顔を見せるクミちゃん。


「そうだけど…。なんか私、変なことでも言った?」

「…えっ、だって…。2人って…付き合ってるんだよね?」


クミちゃんの表情をうかがいながらおずおずと尋ねると、クミちゃんはプッと噴いて笑った。


「そんなわけないじゃん!隼人は、ただの中学からの友達だよ!」


度肝を抜かれるとは、まさにこのことだった。

状況を把握できなくて、しばらくの間フリーズしてしまった。


「だれから聞いたの、そんな噂っ」

「噂というか…。校門で待ち合わせしてるクミちゃんを見たことがあったから…」

「そりゃ、たまに遊んだりもするよ?友達だからね」